■参議院選挙の結果がでた。大方の予想通りではなかっただろうか。
参院選:民主、結党以来の大勝 「格差」不満受け皿
民主党が躍進する一方で、自民党は歴史的惨敗という結果に終わった今回の参院選で、両党の獲得議席を見ると、民主党が「1人区」(改選数1の選挙区)▽「複数区」(同2以上の選挙区)▽比例代表--のすべてで自民党を上回った。こうした状況は98年4月の民主党結党以来初めて。
民主党は1人区で04年の9議席から17議席とほぼ倍増。これに対し、自民党は14議席から6議席に減らし、89年の3議席に次ぐ少なさとなった。民主党の1人区躍進の要因は、年金記録漏れ、格差問題、相次いだ閣僚の不祥事など、与党の失策で追い風が吹いたことにあると見られる。とくに格差問題をめぐっては、1人区が多く抱える農村部で小泉政権下で進んだ地域間格差に対する不満がたまっており、今回の参院選を機に一気に噴出したと見られる。
さらに、4月に行われた統一地方選では、民主党が44道府県議の獲得議席数を03年の計205議席から計375議席に伸ばしており、これも同党の躍進の条件を整えたと言える。同党若手議員は「県議がいなかった時は農村部を回るにも行ける所がなかったが、今回は県議を中心に組織戦ができた」と振り返り、党の足腰が強化されたことを強調する。
ただ、44道府県議の数は自民党の1212議席に遠く及ばない。今回は「敵失」による突風に助けられた側面がある。本当に足腰が強化されたかどうか、真価が問われるのは次回以降の国政選挙となりそうだ。
一方の自民党の得票傾向はどうだったのか。人口密度に応じ、各選挙区を(1)都市型(2)準都市型(3)農村型--に3分類し、同党の得票率の変遷を見てみた。
農村型の選挙区は、「小泉ブーム」で躍進した01年には50.5%だったが、04年には44.1%に低下。今回はさらに減って37.8%となっており、1人区で振るわなかったことを裏付けた。以下、略・・・
毎日新聞 2007年7月30日 12時47分 (最終更新時間 7月30日 12時53分
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