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2007年8月15日 (水)

核の反響

■お盆休みも半分が過ぎた。結局、実家には帰っているものの、父方の田舎には、帰省していない。うーん、それにしても暑い。。。なんとかならないものか・・・。

■先週は、まったく更新できなかった。言うまでもなく、先週は、広島・長崎の「原爆忌」であった。8月ゆえに、戦争ネタということでもないけど、ブログ初年度ということもあり、プロフィールにもある通り、時代を最後尾から追いかけるということで、エントリしておこうと思う。

核に関しては、もう数回エントリしてきた。そもそも、このブログのはじめに、日本の核武装論について、すでにエントリしてある。管理人の考えは、その時と変わらない。

日本の核武装論に関する所感 また、日米の歴史認識でも、扱った。歴史認識問題(2)日米こちらを参照していただければ、幸いである。

■管理人が最も、危惧するのは、憲法9条に寄りかかり、広島・長崎を中心に、核は許せない、廃絶しなければならいと、思考のプロセスなく、唱えてしまうことである。又、反対に、北朝鮮、中国などの脅威にすぐさま、核兵器で、対抗しなければならないというのも、同じである。

アメリカをはじめ、世界は、核廃絶に向かっている。アメリカの戦略(PSI構想)も、核拡散、その生成物質・技術の拡散を封じるものに変わってきた。ただ、現実、インドやパキスタン、北朝鮮をはじめ、核保有国は、増えている。もちろん、これは、アメリカの戦略・政策の失敗にあたるのだろう。

また、上記にも書いたが、いわゆる「ならずもの国家」の核保有、正確には、核管理が非常に懸念されている。日本でも、天災であったが、地震による柏崎の原発の問題に、IAEAの調査団が入っている。各国のジャーナリストは、日本ほどの建築基準、技術をもっても、放射能漏れが防げないのかと驚いたそうであるが。。。(参照

■管理人の知る範囲であるが、特に、欧米先進主要国においては、核戦略家と呼ばれる研究者が存在し、核戦略に関する、実証的な文献も多々ある。賛成派から、反対派まで多様なのだが、その科学技術は、向上しているというほかない。

■そこで、今回は、アメリカから2つほど、核に対するペーパーを紹介する。

一つ目はCFRのマイケル・モラン氏の記事である。Cold War-Era NuclaerDebate Returns

内容を簡潔に要約すれば、アメリカの政府・議会でも賛否両論あるものの、戦略的核兵器の有効性を冷戦期並に認め、多額の予算を使う方針を決めたというものである。

この核兵器戦略や、予算の議論が、冷戦期のようであるとモラン氏は、述べている。

そして、最後にキッシンジャー、ペリー、シュルツ、ナンの「核のない世界へ」の記事の言及もある。

■もうひとつは、アメリカのシンクタンクCAPのジョセフ・クリンシオン氏の記事である。

Atomoics Echoesである。こちらは、広島・長崎へのトルーマン元大統領の記述がメインである。

こちらは、一部、抜粋する。

Now, with nine nuclear nations holding 25,000 nuclear weapons, many are rethinking basic nuclear premises. Back in 1945, the scientists had hit upon a core truth: preventing proliferation requires a political solution; the science of nuclear technology cannot be otherwise contained.

There is now a flurry of efforts crossing party and ideological lines to reduce the number of nuclear weapons and the number of nations that have nuclear weapons. Most prominent is the appeal this January from Democrats William Perry and Sam Nunn and Republicans George Schultz and Henry Kissinger for “a world free of nuclear weapons.” These veteran cold warriors strongly supported the nuclear build-ups of the past. Now, their action plan includes many of the elements of the early Truman era: deep cuts in existing arsenals, a global ban on nuclear tests, a halt in production of new weapon materials, and international control of the entire uranium enrichment process, including the formation of an international fuel bank for nuclear reactors. Nobel Peace Prize winner Mohammed ElBaradei urges similar steps, as do projects from a dozen research institutes. And some members of Congress and presidential contenders have picked up parts of these proposals.

Our path six decades ago was circumscribed by the looming threat of Soviet power, but today’s political climate allows for considerably more freedom of movement. We may be at a new moment that will finally permit us to heed the warnings echoing from the beginning of the atomic age.

抜粋していない前半部分は、広島・長崎における原爆投下をめぐる、極めて簡潔なトルーマン元大統領の意図、科学者の心境が書かれている。この抜粋部分は、後半部分だが、現状の核保有国、核保有数は、冷戦初期を思わせ、科学者が予測した通り拡散している。この60年間、ソ連の脅威があったものの、核は、縮小・制限される方向 できた。しかし、今日の政治的風潮は、より、核保有などにに自由な動きになっている。そして、最後にわれわれは、新たな核の時代から、警告という反響に、より、注意を払わなければならない時であるかもしれない。と締めくくられている。

■このようなアメリカや、世界情勢を鑑みてのキッシンジャーなどの核軍縮提言なのかもしれない。この内容に関しては、雪斎殿のエントリ(核のない世界)をぜひ、参照して頂きたい。だれしもが、短期間に、核が世界から、根絶されるとは、考えないだろう。軍縮・核廃絶へ、取り組みながら、アメリカの核に依存することは、なんら矛盾しない。

ただ、管理人は、平時から、核の議論をすることには、賛成である。唯一の被爆国であるからこそ、最も、核に詳しくなければいけないのではないか。デメリットだけでなく、メリットもである。そのような冷静な現実的な議論が必要である。

本日は、日本では、終戦記念日である。正確には、天皇陛下の玉音放送が流れた日である。皆様、それぞれの形で、この日を受け止めて頂きたい。

本日の一冊:『戦争を記憶する』藤原帰一著 講談社現代新書

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コメント

暑いですね。
今回の柏崎地震で、マトモな原発なら大地震でも致命的な事故にならないという裏付けになったと自信を深めている連中がいるようですね。実は私もそう思っているのですが・・。
核の廃絶までまだ遠い道のり。イランはイスラエルと戦争しちゃうのでしょうかね?ここは核ミサイルもありうるでしょうから。北朝鮮はアメリカと組むような勢いですし、人民解放軍は北朝鮮国境で厳しい警戒態勢とか。株価も債権も大混乱。シーファーさんを手玉に取ったつもりの小沢さんもやりすぎたと思ったのかちょっと発言がブレているようです。終戦の日を過ぎ、平和を考えるべき時節なのに、なんとも慌しいような気がします。

投稿: SAKAKI | 2007年8月22日 (水) 22時00分

SAKAKI様

いつもコメントありがとうございます。

暑いですね。ほとほと夏バテ気味です・・・w

まあ、この度の柏崎に関しては、人災だと思っていますから、それに、IAEAを日本がないがしろにすれば、あの制度(機関)自体、形骸化してしまいます。

まあ、国連では、平和的利用を巡って、なかなか合意に至っていないようですが。。。

イランとイスラエルは、現状、大丈夫だと思っております。イランもIAEAの査察を受け入れるようですし、それ以上に、イラク・アフガンですね。これは、まだまだ、続きそうです。正直、アメリカの失政です。ただ、イラク・アフガンも国連が動き出したようですから、最大限、頑張ってもらいたいところです。そこで、小沢代表ですが、非常に巧みだとは、思いますよ。右のガス抜きをし、左の反米主義者のガス抜きもしましたから、ただ、ご存じの通り、安保理決議の解釈論になると、辛いところがありますね。又、ISAFに参加可能って無理です。極めて、危険ですから。ただ、アメリカ追従でないという姿勢は、示せたとは思いますが、対案が出てこないのが、なんともですね。

人民解放軍に至っては、かなり前から、国境警備にあたってますね、特に、北京オリンピックを控えて、これ以上、イメージを下げたくないですからね。

イラク、アフガン、エチオピア、アメリカなどなど、いろいろエントリしたいのですが。。。

コメントありがとうございました。

投稿: forrestal | 2007年8月23日 (木) 00時13分

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