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2007年8月 5日 (日)

テロ特措法の今後

■更新が空いてしまい読み手の皆様、申し訳ありません。なんだか、バタバタしていたり、一応、政治系ブログのつもりなんですが、少し、政治から離れたい衝動に駆られてました。

■まず、はじめの日本外交において、民主党との妥協になるのは、9月からの臨時国会で延長を目指す、テロ特措法であろう。

テロ特措法:政府・与党の姿勢次第で柔軟対応…民主・菅氏

 民主党の菅直人代表代行は5日のフジテレビの番組で、小沢一郎代表が反対の意向を表明しているテロ対策特別措置法の延長について「もともと一切支援すべきではないという姿勢で反対したわけではない。自衛隊派遣そのものに反対したイラク復興支援特別措置法とは違う」と述べ、政府・与党の姿勢次第で柔軟に対応する考えを示した。

 菅氏は「(01年の同法制定時に)国会の事前承認などの条件が満たされれば賛成できるところまでいっていた」と指摘、事前承認などが課題になるとの認識を示した。さらに「議論をしたくても一切(支援の)中身を示さない。政府の姿勢が変わらなければ我々も(反対の)姿勢を変えないのは当然だ」と述べ、十分な情報公開の必要性を強調した。

 一方、自民党町村派会長の町村信孝前外相は同日のテレビ朝日の番組で「法案修正とか米国との話し合いとかいろいろやらないといけない」と語り、民主党の協力を得るため同党との修正協議を行うことも検討すべきだとの考えを示した。【須藤孝】

毎日新聞 2007年8月5日 19時51分

■平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成13年11月2日法律第113号) と首相官邸のHPにはある。念のためリンクしておく。(参照

この法案延長に関しては、すでに、アメリカからの要請が来ていたり、民主党においても、前代表、前原議員などから、延長の必要性の声があがっている。

■管理人がいつも参考にさせて頂いているリンクから、二つほど、提案を紹介して、私見を述べる。

1つ目は、ご存じ、溜池通信のかんべえ殿のものである。(参照

一部、抜粋させて頂く。

インド洋上における対米協力は、もう5年以上続いている。そうなると、先方の感謝の気持ちもじょじょに低減していく。他方、現状維持を自己目的化してしまうのは日本の組織にありがちな習慣であって、そのうち「止めるに止められない」ことになる怖れがある。イラクからの陸上自衛隊撤退と同様に、物事には「止められるときに、止めた方がいい」ことだってある。この際、止めてみて、別の対米協力の方策を考えることにしたらどうだろう。

かんべえ殿によれば、メリットは大きいが、引けるときに、引かないと出口戦略は、難しく、現状、撤退しても、日米関係に大きな影響はないということである。又、争点が一つ減り、安倍政権には、メリットがあるとのことである。

もうひとつは、『王侯将相いずくんぞ種あらんや』のrinta殿のものである。(テロ特措法の将来

これも、一部、抜粋させて頂く。

私が仮にここに出口を見出そうとするなら、これを機会にテロ特措法(アフガンのテロリスト掃討のためにインド洋で活動する米軍艦船への給油)とイラク特措法(サマーワでの陸自の活動やバグダッドへの空輸活動)を合体させてみる案を考えます。正確にはテロ特措法をイラク特措法の中に取り込むようなかたちになると思いますが。

この際、おおまかに、6つの条件も提示されている。御本人も、超アクロバティックと仰る通り、かなり、実現可能性は、低いが、この本意は、法律を現実に適合させ、政策中心にすることにある。

■では、二つほど、示唆に富む提案を紹介したところで、私見を述べたい。まず、アメリカをはじめ、イギリス、フランス、ドイツなど、40カ国近くが、軍事オペレーションなどに参加している。このことに対する国際貢献は、欧米主要国からも期待・感謝されているものであり、日本の国際安全保障へのコミットメントとしては、唯一かつ、大きな外交カードになりえる。もちろん、この資産をどのように、運用するか次第ではあるが。確かに、国際政治において、コミットより、イグジット、つまり、引き際の方が難しいのではあるが、管理人自身は、次期アメリカ大統領決定まで、待ってもよいのではないかと考える。その間に、アメリカ民主党有力議員とのコネクションを作っておくのも、ひとつであろう。又、在日米軍再編の諸経費などの交渉がスムースに行えるかもしれない。又、欧州との連携・協力もスムースに行えるだろう。アメリカをはじめ、多角的な外交を進めるのならば、この協力は、必要不可欠だと考える。

ただ、情報開示の上で、民主党が言う事前承認を受け入れ、修正(主に地域の限定など)は必要である。アフガニスタンを含む、中東の混乱地域がテロリズムの温床にならないように、国際社会と力を合わせて、日本は、出来る範囲で貢献していくという大義を立て、国民にアカウタビリティを果たし、継続させることが望ましい。ただ、イラク特別措置法との一体化は、やはり無理がある。そもそも、法的根拠が異なる上に、その事態や状況も異なる。間違いであれば指摘してもらいたいが、恐らく、空自は、バクダッドなどで、今も米英兵、そのた物資の輸送を行っているであろうし、テロ特措置法では、海自がインド洋上で、給油などを行っているだろう。

少なくとも今後は、政局の動向が、対外政策にハードリンケージしていくだろう。

新たな安倍政権がこのあたりをうまく切り回せるかがポイントであると同時に、国民への説得を含めた広報戦略がカギであろう。

民主党も言うまでもなく、ここからが、政権担当能力を試される正念場が続く。

今週の1冊:『日本の統治構造』 飯尾 潤著 中公新書

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コメント

引用ありがとうございます。私がテロ特措法について言いたかったことの骨子は、現実に沿わないなら沿うようにすればいい、無理をしてストーリーを作り上げるようなやり方はもう止めた方がいい、ということです。

いずれにしても、何らかの修正をしないで安倍晋三がこの法律を国会で押し通そうとするのは無理だと思います。それくらいの柔軟性は兼ね備えているんじゃないかと思いますけど。

投稿: rinta | 2007年8月 6日 (月) 09時10分

rinta様

ご丁寧にコメントありがとうございます。仰る趣旨、大変よくわかります。

私も、そもそも、特別措置法、時限立法には、あまり良い思いをしておりません。かといって、現実の問題に、すぐさま、恒久法が出来るわけでもありません。

rinta様のエントリにもあったのですが、政府の持つ情報(官僚管理を含む)と野党では、かなりの非対称性がありますね。

まず、これを出来る限りで、透明化を図り、その上で、どこで、何が必要か、又、日本に、それが可能かという明らかにし修正は、必要ですね。

安倍総理は、前小泉総理の軌道修正をしていく役割もあります。

ただ、現時点で、支持率22%(毎日新聞)、私自身、やめるべきではないとエントリしましたが、柔軟に、バランスよく、自己の政策理念に猛進するのではなく、全体を見渡して、政局運営を行わないといけない状況ですね。

尚、お勧めリンクに追加させて頂きました。
今後ともよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございました。

投稿: forrestal | 2007年8月 6日 (月) 19時17分

こんばんは
 なんだか民主党さんはお祭り騒ぎですね。危なっかしくてみてられんです。
 コレで自衛隊が撤退となると、日本はインド洋における中国に対する優位性が失われますよね。その辺も国会で議論してほしいなぁ・・
PS
いろいろ本の紹介をいただきありがとうございます。

投稿: SAKAKI | 2007年8月 7日 (火) 22時51分

SAKAKI様

いつもコメントありがとうございます。

民主党も、前前原代表や、長島議員など、外交・安全保障、知米派の議員も多数いますし、そもそもが、寄り合い所帯ですから、まとまって、足並みを揃えていけるか、政党内力学の問題になりますね。

自民党も、安倍総理が公然と内部から、退陣を求められていますから、まあ、当然のことだと思いますが。。。

あまり、そのような政党内でのゴタゴタは、早めに終わらせて、政党間での政策論争を期待しますね。

エントリにも書きましたが、追加すれば、地域の限定と、任務の透明化(変更)という修正は必要ですね。かといって、これを契機に、ひくべきだとは、エントリ通り、思いません。

つい最近、行われた、アメリカ民主党の大統領候補選での討論会において(CNNとYOUTUBEが共催したのですが)、この中で、全ての候補者が、大統領になったら、イラクから即時撤退すると言っています。(恐らく、段階的、規模縮小になろうとは思いますが)もちろん、これは、仮定の話です。現実、民主党大統領が誕生するのか、現実のオプションとして、イラクから撤退するのかは、わかりません。世論向けのリップサービスかも知れません。が、仮にそうなることも、想定した上で、では、かの地域における、今後のアメリカの戦略・政策の予測、及び、日本自体の戦略があるのか、この海洋、海峡は、アメリカをはじめ、日本には、きわめて重要です。それが、策定されているのかという疑問があります。日本がインド洋上で、海自をここまで、展開できることは、この法律を根拠にしない限り、ありませんから、そういう意味においても、中国をはじめ、地政学では、リムランドというのですが、このような地域へのプレゼンス効果、及び、情報収集効果もあると思っています。

また、洋上での給油活動というのは、極めて、難しい技術を必要とします。このようなロジスティックスでの評価は、欧米から高く評価されています。

撤退はしたは、この中東から、シーレーンにかけての情報をアメリカに求めるでは、日米関係には、大きな影響がでなくても、日米同盟においては、中・長期的にマイナスになるでしょう。

ただ、明白になったのは、現状、アメリカでさえ、経済的のみならず、日本の軍事的な支援が必要であるということです。もちろん、日本の軍備が、主に、支援用であるというのは、アメリカの戦後の戦略ではあろうとは思いますが、日米の安全保障コミュニュティも変容しつつあるのが現状ですね。

PS,あまり、本をお薦めするのは、好きではないのですが、薦めだしたら、キリがなくなってしまうので、ただ、私も、生涯、勉強ですので、頑張りましょう。お礼はいりませんよ^^

投稿: forrestal | 2007年8月 8日 (水) 10時56分

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