« 捨てられない「モノ」? | トップページ | 参院選 支持政党は? »

2007年7月12日 (木)

麻生外務大臣の新書

■麻生外務大臣の新書『とてつもない日本』が発売されて、およそ、一か月が経過した。この紹介・書評をいつエントリしようか迷っていたが、時間も経過したことであるし、簡単に感想を述べる。尚、管理人がいつもお世話になっている、Baatarism殿も、エントリされているので、拝見して頂きたい。

「日本人のエネルギーは、とてつもないものだ。日本は、これから必ずよくなる。日本は、とてつもない国なのだ」 祖父 吉田茂から (新書の帯より)

■本書は、新書という形態をとり、内容も平易で、具体例も多く、非常に読みやすい。恐らく、高校生でも、理解できるであろう。また、これは、出版社の意向かもしれないが、文体自体も、語りかけるような、口語的なニュアンスを含んでいる。

■本書は、おおまかに分けて、内政と外交との分類ができる。内政では、ニート、少子高齢化、格差社会、地方自治(分権)について語られ、外交面では、主にアジアに重点を置き、麻生ドクトリン(価値の外交)について、述べている。

そして、この議論の前提として、日本のナショナル・アイデンティティについて、「実戦的先駆者」としての日本が主に、第1章で、述べられている。

麻生大臣の本書の特徴を一言でいえば、逆転の思考であろう。これが、終始、貫かれている。もう少し言えば、特に、マスコミやその他が、ネガティブに捉え、報じたり、論じたりしていることを、相対化し、異なる角度から、捉えなおそう、考えようというものである。

このような思考様式は、物事・現象を多面化し、可能性を拡大させる。そのような問題提起が、主に内政面での事柄では、現実的かつ、具体的な精緻さは、若干、欠けるものの、、少なからず、成功している。(新書であるし、麻生大臣のビジョンである以上、精緻さは、致し方ないが・・・)

それゆえ、読んでいておもしろい。メリット・デメリットを見据えつつ、リアリズムから、実現可能性のある、提案が多い。

ただ、外交面においては、楽観論ではないだろうか。つまり、日本の対外イメージの高さ、ソフトパワーの高さ、PKOなどでの貢献は、わかるが、それを、どのように、日本の国益に結びつけるか、具体性があまりない。

特に、軍事や安全保障関係には、殆ど、触れられていない。内政においては、メリット・デメリットを考えた、リアリストではあるけれでも、外交面では、ソフトを重視する、むしろ、リベラリストである印象を与える。もっと、辛辣に言えば、アイディアリストである。

もちろん、本書は、麻生大臣のビジョンや理想を語ったものであるが、内政面と外交面との記述のバランスの悪さは、否めない。ただ、これも、否定的でなく、肯定的に捉えれば、麻生大臣の柔軟さとも、受け取れる。このあたりは、読者の皆様の判断に任せる。

あえて、具体的な内容は、記述しないことにする。まだ、お読みの方や、こらから、読まれる方もいるだろうから。ご了承、頂く。

■非常に元気のでる新書である。日本の国際的な評価の高さや、期待、国内の希望が込められている。概ね日本人というのは、作為には、敏感で、無作為には、鈍感(無関心)な所がある。ただ、これは、どちらも、行動・行為であり、国際環境や国内環境に作用を及ぼす。

それゆえに、逆に、不信、失望も必然的に伴う。あえて、麻生大臣に言うならば、この希望や元気を一時的なものではなく、現実的に実現してもらいたいということである。

最後に少しだけ、引用して、本エントリは、締めとする。

我々が目指す国の姿は、まだまだ道半ばだ。・・・さらに改革を進めていかなければいかないのは事実だが、同時に、「小さいくても強い政府」「小さくても温かい政府」が、目指すべき国の姿だと考える。

麻生大臣には、今後も政治家としての活動に期待する。

|

« 捨てられない「モノ」? | トップページ | 参院選 支持政党は? »

「評論・感想」カテゴリの記事

コメント

トラックバックありがとうございます。
確かにあの本の外交論は相当楽観的ですね。恐らく日頃マスコミやネットに流れている意見が悲観論ばかりなので、そこの逆転の思考を適用した結果なのでしょう。

ただ、こういう楽天的な考え方や性格は、アメリカを相手にするときはプラスになると思うんですよね。もし首相になったら、安倍首相よりはアメリカに受け入れられやすいのではないかと思います。小泉首相レベルまでいけるかどうかは、相手との相性もあるのでしょうが。個人的には麻生=オバマ関係を見てみたい気がします。(笑)

投稿: Baatarism | 2007年7月12日 (木) 12時36分

Baatarismさん

いつも、コメントありがとうございます。2回もTBを送ってしまってみたいで、申し訳ありません。

私にも、もちろん、理想はあるのですが、どうしても、最悪の事態を想定して、そこから、スタートしてしまいます。

もっともっと、日本が世界からどうみられているか、マスコミは、報じてもいいと思うのですが、各社、カラーがありますから、また、権力チェックと、悲観論を並べるのとは、まったく異なりますね。

麻生大臣の祖父、吉田茂宰相ですね。マッカーサーとも、ダレスとも、うまくやっています。

外務大臣で培った各国首脳とのパイプ、これを生かせれば、麻生外交は、より、現実性を帯びます。

また、麻生大臣は、日米同盟の重要さ、よく理解してます。

麻生=オバマですか。。。私は、民主党大統領が誕生するなら、麻生=ヒラリーを見てみたいですねw

コメントありがとうございました。

投稿: forrestal | 2007年7月12日 (木) 13時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/179808/7107979

この記事へのトラックバック一覧です: 麻生外務大臣の新書:

« 捨てられない「モノ」? | トップページ | 参院選 支持政党は? »