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2007年5月 7日 (月)

憲法施行60周年を迎えて

■この連休は、ブログ更新もお休みを頂いた。明日から、又、マイペースで、更新しようと思う。読み手の皆様、これからも、よろしくお願いします。

憲法記念日:「安倍改憲」に賛否両論 施行60周年

日本国憲法施行から60周年を迎えた3日、与野党の幹部は各地で開かれた憲法問題をめぐる集会などに出席した。特に憲法改正を政権の重要課題に掲げる安倍晋三首相の姿勢に対し、賛否両論の立場から発言が相次いだ。

 超党派の保守系国会議員らでつくる改憲派の「新憲法制定議員同盟」(会長・中曽根康弘元首相)は東京都内のホテルで民間団体と「新しい憲法をつくる国民大会」を開催。中曽根氏は講演で「首相が公然と述べている憲法改正に向かい、国民のみなさんと手をつなぎ前進したい。国会議員は情勢によって大連立、政界再編も必要だ」と改憲の実現に向けた政治勢力の結集を訴えた。

 大会で議員同盟は、憲法前文の改正案も発表した。05年に自民党新憲法草案を取りまとめる過程で全面的に修正された中曽根氏の素案をほぼ踏襲、「和を尊び」「独自の伝統と文化を作り伝え」などの表現を採用したほか、素案になかった「家族を尊重し、礼節を重んじ」などの文言も盛り込み、保守色を強くにじませた。以下、略・・・

(毎日新聞)

■連休中は、ほぼ、5年ぶりに田舎に帰省したり、ゴルフに行ったり、国内で、ゆっくり過ごした。上の引用記事は、5月4日付けの毎日新聞ONLINEの記事である。

5月の3日は、憲法記念日、今年で施行60周年を迎える。各種マスコミなどでも、取り上げられた。又、ここ数年の間に、憲法議論の活性化を図るプロセスが自民党中心に取られてきた。(自民党:新憲法草案:adobe readerが起動しますので、注意ください)

特に、安倍総理誕生後は、「戦後レジームの脱却」をキーワードに、憲法改正が、総理の悲願なのだろう。憲法96条項にある改正における手続き法(国民投票法案)が、立法化されるのも、それを見越してのことだろう。ただ、国民投票法案は、手続き法であって、この法案によって、すぐさま憲法が改正されるというものではない。本来ならば、当然、定めておくべき法律であったのだが、戦後の自由党と民主党の合併による、55年体制が長く続き、又、国際環境的にも、すぐさま必要ではなく、解釈改憲で、やり過ごせてきたことが大きい。

■憲法は、前文と103の条文からなる。全てを比較、検証することが出来ないので、管理人の最も関心のある、9条だけになるが、自民党草案を検討した上で、各々、護憲、改憲、加憲とスタンスはあるだろうが、管理人の見解を述べておく。

まず、新草案だが、一見して、非常に抽象的で、別途、法律で定めるという項が多い。大きな変更点は、自衛隊から自衛軍へ、国際の平和と安全、協調活動への参加の項が盛り込まれている点と国家の交戦権の否定が削除されている。あとは、内閣総理大臣を最高司令官とする、文民統制だろうか。

おそらく、憲法学者は、又、その解釈に、仕事を追われるのだろうが、法には、解釈がつきものである以上、致し方ない。

■簡潔に管理人のコメントを述べておく。管理人は、9条だけではないが、改憲派である。特に、今回は、外交・安全保障を主眼に述べるが、現憲法にアタッチメントがないわけではない。ただ、戦後間もない、当時の日本と現在の日本、又、国際環境の劇的な変化などを鑑みて、現9条に抵触するような、時限立法、特別措置法には反対である。

つまり、ここ数年までは、憲法議論をすることさえ、タブー視され、外交・安全保障の議論は、常に避けられてきた経緯がある。今でもかもしれないが、国際的に通用する意見を表明することは、国内では、多大なバッシングにあってきた。そこに、日本政治の難しさがある。政治家は、票に結びつかない外交・安全保障の議論を避け、内政に重点を置いてきた。逆を言えば、なまじ、内政が国際環境的、国内環境的にうまくいったので、考え方を変える必要はなかったとも言える。(このような経緯が憲法改正を賛否両論にさせるのかも知れない。)

ただ、その環境的要因も偶然性が高く、今、そして、今後、その状況は続かない。(もう続いていないが)

冷戦崩壊後、国際環境は、劇的に変化し、現在、WMD拡散とテロという新しい非対称性の時代に入っている。特に、湾岸戦争の敗戦のように、お金だけでは、世界の中で「名誉ある地位」を占めることはできない。

高坂正堯先生は、「現憲法(9条)では、国際社会の変化に対応しづらい」と述べている。

■管理人ならば、新憲法草案9条の解釈裁量を極力、減らすべく以下の項目を加える。

1.侵略戦争はしない。

2.国連安保理決議に従い、海外派兵を可能にする。

上記に加えて、自衛軍を保持するというのなら、自衛隊法改正、軍法会議、ROE(部隊行動基準)の改正、設置・法案化も並行して行わなければいけないだろう。

もし、安倍総理がこの夏の参議院選挙の争点にするならば、参議院には問題は、多々あるが、衆議院も解散し、自らの総理としての政治生命と、自民党の下野も覚悟で、W選挙で、民意を問うべきだと考えている。憲法改正というのは、広範な国会議員、国民のコンセンサスが必要である。

最後に、憲法は、国家の形であり、柱である。この日本を主に支えている、25歳~55歳(年齢は、アバウトでも良いが)を目安に、約30年に一回は、見直し、(改正)検討をするべきではないだろうか。

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コメント

はじめましてw

>国連安保理決議に従い、海外派兵を可能にする
民主党も言ってることですよね
これには賛成

投稿: ヴォルフ | 2007年5月 9日 (水) 12時48分

ヴォルフ様

はじめまして。コメントありがとうございます。
私の考えは、小沢一郎議員のような、国連待機軍構想ではありません。そもそも、あの構想は、構想であって、現実的に可能性が極めて低いのです。そもそも、国連軍なるもの、正式には、一度も実現していませんから。

ただ、個別・集団的自衛権での海外派遣は言うまでもなく可能です。わかりやすくするなら、これも明記してもいいかも知れません。

それに加えて、安保理決議がある場合は、仮に、憲章7章42条の軍事的措置にも対応できるようにということです。

ただ、今度は、安保理決議を巡って、国際法学者の仕事が増えそうですね。

イラク戦争においても、アメリカは、安保理決議678を根拠に、国際法上、正当であるという見解です。

今後は、このように、国際法でも解釈がわれるケースがほとんどでしょうね。

投稿: forrestal | 2007年5月 9日 (水) 20時56分

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