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2007年4月15日 (日)

THE CHINA FANTASY

■更新が少なく、停滞してしまっていて、読み手の皆様、すいません。

今週を振り返って、大きなNEWSは、やはり、温家宝首相の訪日であった。

ただ、正直、マスメディアや、評論家、いくつものブログで、すでに大きく扱われており、管理人の出る幕は、殆どない。以前のエントリ(日中の新時代?)でも、今回の訪日の目的は、すでにエントリした。そちらを参照して頂きたい。付け加えるとしたならば、予想以上に中国のみならず、日本側も友好ムードで、迎えた感がある。又、いくつかの合意もなされた。もうリンク切れしてしまっているが、さすがに中国メデイアも大きく友好的に扱っていた。(予想通りではあるが人民網日文版

安倍総理もそろそろ「主張する外交」の中身を具体的に説明しなければいけないだろう。

今回は、最近、管理人の読んだ本を紹介する。(といってもサッと目を通しただけだが)

■エントリのタイトルからもお分かりの方もいると思うが、訳書名 『米中奔流』『ウルカヌスの群像』の著者である、ジェームズ・マン氏(参照1)の新著『The china fantasy』である。

およそ原著では、114ページで、内容は、それほど、深く、学術的なものではない。マンは、第3のシナリオとして、中国が、経済発展し続けるが、民主化せずに、権威主義体制を維持するという想定を立てている。この想定の根拠であろう、およそこれまでの30年間(ニクソン政権から、現ジョージ・W・ブッシュ政権までの)対中政策を考察(というより、事実関係を追った)し、現在のアメリカのエリート層にある、中国へのイメージを厳しく批判している。そのイメージというのは、中国が経済的に発展・繁栄すれば、中国の共産党一党支配は終わり、民主化されるというイメージである。これを幻想と呼んでいる。このあたりは、ブルース・ジリーや、ゴードン・チャンの見解への批判であろう。

事実、中国は発展し、富裕層が生まれているが、彼らは、民主化の先頭に立つところが、権威主義体制の継続に尽力していると主張する。

その上で、マンは、問題提起をしている。中国が民主化するにせよ、崩壊によって、政治的秩序が混乱するにせよ、それに対する対策(政策)はあるのか。又、今後、中国が権威主義体制のまま、発展し、より、パワフルで、繁栄した場合、どう付き合うのか。などである。この辺りは、大変、鋭い指摘であり、なかなか解答を持っている人は少ないだろう。

そして、中国が経済発展し、国際的に無視できなくなれば、エンゲージメント政策、インテグレーション戦略を取るしかないというものの、その具体的内容や、誰が、(中国の)誰をインテグレートするのか、はっきりしないという従来からの対中国国内政策の誤りを繰り返すことにも批判を加える。(人権批判の徹底のなさなど)

結局のところ、マンの考えは、中国はいずれ、軍事的にアメリカに対抗するだろう。そして、中国の民主化に消極的であった、アメリカの外交政策を批判し、中国が非民主的なのは、中国人にとっても、世界全体にとっても不幸であるというものであろう。

非常にコンパクトであるゆえ、詳細な分析・検証ではない。しかし、中国に対するアメリカのイメージや認識が、現在の中国の不透明な軍拡など、脅威をもたらす可能性を示唆している。また、そのことに対する、従来の対中政策や、今後の中国がいかなる動向になるにせよ、それに対する政策のなさに警鐘を鳴らすものである。

米中関係を考える上では、非常にコンパクトで、読みやすい入門書になっている。

ちなみに翻訳書が、渡辺昭夫先生訳で、4月の17日に発売されるので、興味のある方は、一読されたし。(危険な幻想 中国が民主化しなかったら世界はどうなる?

*ちなみに管理人、アフィリエイトはやってませんし、購入されても管理人には、一円も入りませんので。

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