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2007年4月20日 (金)

フランス大統領選の展望

■アメリカのヴァージニア工科大学、日本の長崎市長と銃による殺傷事件が起こった。亡くなられた方に心から、ご冥福を祈りたい。

■この22日(日)にフランス大統領選、第1回目の投票を向かえる。

〈仏大統領選〉第一回投票22日に、大接戦が展開

4月20日19時55分配信 毎日新聞

【パリ福井聡】フランス大統領選挙の第1回投票が22日実施される。12人が立候補しているが、事実上、▽右派与党・国民運動連合のサルコジ前内相(52)▽左派野党・社会党のロワイヤル元家庭担当相(53)▽中道派・フランス民主連合のバイル議長(55)▽極右政党・国民戦線のルペン党首(78)の4主要候補の争い。支持率で首位を走るサルコジ氏と小差で追うロワイヤル氏が、上位2人による決選投票(5月6日)への進出を有力視されているが、有権者の約3割が態度未定とされ、各陣営は浮動票の掘り起こしに全力を挙げている。
 
 調査機関CSAの支持率調査によると直近の支持率は(1)サルコジ氏27%(2)ロワイヤル氏25%(3)バイル氏19%(4)ルペン氏15.5%。大接戦が展開されている。

以下、略・・・

■必要な限りの政治制度を説明しておく。戦後、フランスも議員内閣制の時期があった。(1946~1958)、その後、現在まで(第5共和制)の大統領制を導入し、国内混乱と政治の安定化を図ったのが、シャルル・ド・ゴール元大統領である。大統領選は、一回目の投票で、上位2名に絞り、2回目の投票で、過半数を得たものが、大統領となる。

■今回の選挙の争点だが、およそ、内政、特に経済と雇用問題を中心に行われている。それに関連する形で、移民の問題、大国としてのフランス(ナショナル・アイデンティティ)、EUとの関係が主である。特に、記憶に新しい学生の暴動や、移民の暴動などが近年、フランスの社会問題を体現している。

フランス経済は、1997年以降、停滞している。主に、国際競争力を持つ企業が冷え込んでいる。昨年は、2%の成長率とEU内では、最低。また、地方分権も遅れており、地域格差も大きい。また、失業率も10%程度をいったりきたりと、特に、若年層、貧困層の失業率は、20%を超える。(昨年は、9.8%とEU内でも最高値)、又、フランスの移民政策史は、少し古いがこちらが役に立つだろう。(フランス移民政策

また、大規模な官僚制と既存政党(与党)による政治の硬直化にも、目が向けられている。例えば、シラク大統領から支持を得た、UMP(国民連合運動・与党)のニコラ・サルコジ氏の日本批判などは、シラク氏との違いをアピールしたものであろう。(この二人、不仲ではあるが・・・)

■ニコラ・サルコジ候補、セゴレーヌ・ロワイヤル候補、フランソワ・バイル候補の政策については、全て取り上げられないので、こちらを参照してもらいたい。(ロワイヤル、サルコジ、バイル各候補の政策 

ここで、各候補のEUに対する政策だけを抜粋しておく。

ロワイヤル候補:再びEUと交渉し、国民投票にかける。

サルコジ候補:ミニEUとして、フランス、ポルトガル、スペイン、イタリア、ギリシアなどの地中海連合をフランス議会に提出する。トルコのEU加盟には、反対。

バイル候補:再び国民投票にかける。が’マルチ・サークルEU’として、政治的ヨーロッパ、ユーロ圏を含むヨーロッパ、法律上のヨーロッパ(とEUを3層、政治・経済・法律に別けている)。尚、トルコに関しては反対。

尚、ジャンマリ・ルペン候補に関しては、こちら。(ルペン氏の演説

今回の大統領選の大きな特徴は、有力候補に女性候補(ロワイヤル候補)がいること、又、与党のサルコジ候補(52歳)が若いことである。ただ、両者ともに大統領職としての政治手腕・手法は、未知数に近い。そこが、又、フランス国民を悩ませているのかもしれない。

選挙戦では、概ね中道右派のサルコジ候補は、従来からの保守層の支持を得ている。ロワイヤル候補は、従来の左派層に加えて、若年層や貧困層の支持を得ている感がある。ルペン候補は、前回選挙同様、移民政策の中止を訴えていて、この支持基盤も固い。一番、不気味なのは、独自路線をとってきた、バイル候補である。どの有力候補も、伝統的な右・左を中心にしつつも、中道路線にシフトしている。選挙では、よくあることだが。ただ、これ以上の中道路線は、既存の支持層乖離にもなる。(finacial times の記事では、アンチ・サルコジのために、バイル候補の中道路線との連携が模索されたようだが、土壇場で、ロワイヤル候補は、断ったようだ。Calls for left-right showdown lift Royal

ポナバルティテズムを求める国民に対して、圧倒的なカリスマは、見受けられない各候補であるが、30数%の浮動票をどう取り込めるかが、ここがポイントであろう。伝統的な政治文化を継承しながら、新しい大国フランスをどれだけ、主張、説得できるかがキーポイントになる。

おそらく、サルコジ候補とロワイヤル候補の決戦投票で、サルコジ候補になると思が。。。バイル候補も極めて不気味ではあるが・・・。外れたらすいません。

■ちなみに、日仏は、極めて友好な関係を構築してきた。特に、シラク大統領は、極めて知日派である。そのシラク氏に比べれば、日本に対して、消極的になるだろうが、当面、フランスの対日本政策が変わることは、考えづらい。

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コメント

こんばんは、初めまして、フォレスタルさん。
このお部屋(ブログ)は淡いピンクで居心地が良いですわ。
雪斎さんのところから飛んできました。
辻仁成と中山美穂は、どっちもミーハーですね。
辻は美人女優好きで、中山は小説家の妻にステータスを感じたのでしょうか。辻の前妻、女優南果歩は渡辺兼と再婚。国際派俳優の妻として、女っぷりが上がりましたね。渡辺と噂があった女優若村麻由美はつい最近、夫の教組がなくなって・・・
はっ、私自身がミーハーだわ。。。
フランス大統領選、楽しみですね。サルコジ氏とロワイヤル氏の争いは、イデオロギーの違いというより、ライフスタイルの違いじゃないかしらと思ったり。週35時間以上働きたいのか、働きたくないのか。家庭と仕事と、どっちを大事にするかという価値観をぶつけあっているように思えるんですけど。

投稿: うみおくれクラブ・ゆみ | 2007年4月22日 (日) 01時11分

>ゆみさん

はじめまして、わざわざコメントありがとうございます。芸能ニュースは、殆どわからないもので、そういうことがあったんですね。勉強になります。渡辺 謙さんは、素敵な俳優さんですね。

フランス大統領選に関しては、仰る通り、ライフスタイルの問題ですね。でも、35時間っていうのは、週休2日にして、5日間で、一日7時間ですね。もっと働きたいという人が多いようです。特に、アメリカ型の実力・成果主義を好む人は、サルコジ氏の支持に回るでしょうね。

少なくとも、存在感を発揮し、ヨーロッパをリードしていく、’大国フランス’そのためには、経済の更なる発展という所は、一様に一致してますから、これまでの既存のイデオロギー的な対立ではないですね。

私自身、ポスト・ドゴールの時代の始まりと考えていますが。

コメントありがとうございました。

投稿: forrestal | 2007年4月22日 (日) 14時41分

TBいただき有難うございました。素敵なブログですね。また訪問させてください。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: 次世代研究・管理者 | 2007年4月23日 (月) 00時41分

>次世代研究・管理者さま

はじめまして、ご丁寧にコメントありがとうございます。お世辞にも誉められるとうれしいものです。

いつでも訪問してください。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: forrestal | 2007年4月23日 (月) 22時03分

どうもTBが成功しません。メディアの分析通り、第二回投票に決戦が持ち越されてしまいました。小党分立の政治を背景にしながら大統領の強い指導力を期待しているのが第五共和制です。選挙の争点もさながら、特に冷戦後の迷えるフランスがこんなところに象徴されているのかとも思えます。

日仏関係では特別に悪くなる要素はないですが、サルコジ候補は余り親日感情を抱いていないとも伝えられています。おそらく、片言隻句をとりあげてのことと思われますが。

投稿: 舎 亜歴 | 2007年4月25日 (水) 20時48分

舎さん

コメントありがとうございます。

TBがうまくいきませんか。。。少し時間帯をずらすとうまくいくかもしれません。ご迷惑をおかけしてすいません。

日仏関係以上に、米仏の関係は、重要ですね。
サルコジ候補になった場合でも、ドイツの件もありますし、トルコ問題がありますしね。私は、あまり、好転しないように考えておりますが、Foreign Affairsにスタンリー・ホフマンが、ポスト冷戦後、大西洋同盟を通して、2国間の関係をバイで、広範囲で、取り組んできたと述べてますね。

ただ、第二次湾岸戦争(イラク戦争)以降は、どうなのかというところが、問題なのですが。。。

どの国家も、変革期には、強いリーダーシップとカリスマのある指導者を求めるものですね。

コメントありがとうございました。

投稿: forrestal | 2007年4月25日 (水) 23時58分

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 伊藤一長市長(61)が射殺された長崎市長選で、期日前投票で伊藤市長に投じた票について、有権者から「投じた票はどうなるのか」と市選管に問い合わせが多数寄せられている。無効票となるが、市選管は「1人1票の原則があり、もう投票できない」と説明している。しかし、有権者からは再度投票を求める声が相次いでいるという。... [続きを読む]

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