« Japan Is Back | トップページ | 憲法施行60周年を迎えて »

2007年4月27日 (金)

安倍総理の初訪米

■総理就任後、初の訪米である。

米大統領夫妻、安倍首相夫妻を異例の出迎え

【ワシントン=松永宏朗】26日夜(日本時間27日午前)の夕食会に先立ち、ブッシュ大統領夫妻が、宿泊先の迎賓館「ブレアハウス」まで安倍首相夫妻を迎えに行く一幕があった。

 出迎えを受け、首相は大統領と、昭恵夫人はローラ・ブッシュ夫人と談笑しながら、ホワイトハウスの玄関まで数分間の距離をゆっくりと歩いた。この間、ホワイトハウス前の道路は封鎖された。

 大統領自身の出迎えは「極めて異例の歓待」(外務省)で、日米両首脳のきずなを内外にアピールした。以下、略・・・(読売新聞)

■総理就任後、初の訪米である。ジョージ・W・ブッシュ大統領および、ペロシ下院議長などと、穏やかに会談したようである。

総理の従軍慰安婦問題への対応と、CFRの分析の紹介、そのあと、簡単に私見を述べる。

■まず、慰安婦問題であるが、ホワイトハウスの前では、抗議デモが行われたが、アメリカでは、多数のロビーグループが、ロビーイングをしている。さして気にすることはない。

安倍総理は、自ら、会談の席で、真っ先に次のように述べた。

「辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、個人として、また総理として心から同情するとともに、極めて苦しい状況に置かれたことについて申し訳ない気持ちでいっぱいだ」

 「私の真意や発言が正しく伝わっていないと思われる。さらに20世紀は人権侵害の多い世紀であり、日本も無関係ではなかった、21世紀は、人権侵害のないよう、積極的に貢献したい」(毎日新聞引用)

言説分析はしないが、前回の国会発言とは異なり、人権問題として捉え、良い対応だと評価できる。何故なら、人権は、日米では、国家にとっての役割が異なるところがある。アメリカでは、自由や、デモクラシーと同様、多種多様な国民を束ねるアイディア(理念)である。だからこそ、この問題が人権・人道問題として語られたわけだが。。。そのことに対して、充分、応えた内容である。

■次にこの度の訪米のCFRの分析の要約を紹介する。(Mending Japan-U.S. Ties

カリン・ジッシス氏によれば、安倍総理は、日米同盟は必要不可欠と認めながらも、総理の影響力の低下、前小泉総理のような個人的な結びつきもなく、政権内部から、アメリカ批判の声があがっていた。又、従軍慰安婦問題も起こった。

しかし、多くの専門家は、日本は、アメリカの対アジア政策において、コーナーストーン(東アジアの拠点)でなければならないと言っていた。又、CFR代表のリチャード・ハース氏は、日本は、世界第2位の経済大国であることをアメリカの多くの識者は、見落としているし、世界で、最も軍事が進んだ国家のひとつであり、アジアの平和に向けた安全保障において、中心的な役割を果たせると言っている。

又、CSISの政策提言、アーミテージ・レポートⅡ(以前、管理人がアーミテージ・ナイ・レポート2007と呼んでいたものである)でも、日米同盟の重要性が強調されている。

ここしばらくの間に、日中関係は、進展している。両国間には、歴史認識(日本の占領など)で、差異が見られるものの、摩擦をおこしてきた東シナ海の油田開発などで、合意に至っている。Financial Times が述べるには、安倍総理は、国内政治よりもアジア外交で、成功をなしている。就任直後に、中国、韓国と歴訪し、論争上の靖国神社への参拝も控えている。最近の従軍慰安婦問題でも、河野談話を踏襲し、謝罪している。

しかし、New Yorks Times のハワード・フレンチ氏は、中国の指導者層は、この22年の間に、日本政府に対して、過去の反日的態度に対する後悔と、戦後の援助に対する感謝のあとで、最も強く確立した’アジア’を提唱するだろう。

(管理人の稚拙な訳ですみません)

■今回の会談では、イラク・イラン問題、北朝鮮問題、エネルギー、地球温暖化など、短い期間ながらも、包括的に話し合われたようである。また、現在、元国務副長官、リチャード・アーミテージ氏が来日し、集団的自衛権の行使について言及している。このことは、おそらく、行使可能の確約をしたのだろう。又、長期政権を目指す、安部総理にとって、アメリカ民主党議員と会談できたことも大きい。度重なる安倍政権内部からのアメリカ批判に辟易していたジョージ・W・ブッシュ政権内部だが、今回の訪米を「友情の中の同盟」と賞賛するアメリカ紙もある。が、管理人は、これはまだ、「小泉ーブッシュ」の資産だと見ている。アメリカの次期大統領が、民主党候補になるにせよ、日米同盟は、双務性を上げ(そのための法整備を行い)、同盟コントロールの強弱があったとしても、漂流しないよう、マイクロ・マネージメントが今後は必要である。日米同盟もようやくスタートに立ちつつあるといったところだろうか。アジア上級部長が、比較的リベラルな北朝鮮エンゲージメント政策を立てた、ビクター・D・チャ氏から、交替する。後任は、まだ未定だが、この人選にも注目である。

|

« Japan Is Back | トップページ | 憲法施行60周年を迎えて »

「国際情勢」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
今回の訪米は国内の新聞はあまり評価してないですが、意外とあちらの印象は良かったように思えますが。アメリカのフトコロの深さというか、若者を暖かく迎える雰囲気というか・・感じました。

投稿: SAKAKI | 2007年5月 2日 (水) 06時23分

SAKAKI様

コメントありがとうございます。
ワシントン・ポストでも、評価する記事に変わってますし、まあニューヨーク・タイムズは、相変わらずですが。。。慰安婦問題は、結果的には、日本のイメージを下げたところは、ありますが、その対応など巡って、逆に注目が集まったという点もあります。またそれよりも日米にとって、重要な課題についての方向性の一致が確認できたのでしょう。安倍総理は、ナショナリストといわれながらも、柔軟にやっています。まあ、総理になれば、自己の信念だけで、推し進めることはできませんから。一度や二度、訪米したからと言って、大きな進展があるわけではありません。時期をみて、段階的に進めていくだけのタイム・スパンがいりますね。小泉前総理のような、同盟が強化されるある意味、戦時な環境は、もうありませんから。
ニクソンの中国、レーガンのソ連とのINF、ジョージ・W・ブッシュ大統領の軟化、戦後のアメリカ外交史をみても、驚くに値しません。

ひとつ、安倍総理に進言できたとするなら、拉致問題を、アメリカのメディア、国民に人権・人道問題として、訴えることだったでしょうか。

投稿: forrestal | 2007年5月 3日 (木) 03時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/179808/6231559

この記事へのトラックバック一覧です: 安倍総理の初訪米:

» ブッシュさんとライスさんの危険な関係 [湖北庵通信(旧 浦安タウンの経済学)]
ウソかホントか?? 本日のネタは真相がわからない話ですので・噂のチャンネルということにします。 朝鮮日報さんが、久しぶりに鋭い記事を書きました しかし洞察がやや足りません。 引用文を注意深く読んで下さ... [続きを読む]

受信: 2007年5月 1日 (火) 19時44分

» 日米同盟の新たな一歩と小さな嵐 [グローバル・アメリカン政論]
日本の安倍晋三首相は両国関係の強化のために4月26日から28日にかけてジョージ・ [続きを読む]

受信: 2007年5月 5日 (土) 17時34分

« Japan Is Back | トップページ | 憲法施行60周年を迎えて »