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2007年3月25日 (日)

日米は互いに何を学ぶべきか

■まず、はじめに、更新が一週間以上、空いてしまいました。読み手の皆様、申し訳ありません。なんだか、この時期、バタバタ、忙しくしております。この週も忙しくなりそうで、更新も、しばらく、不定期になりますが、何卒、ご了承くださいませ。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。

■今週もいろいろあった一週間ですが、管理人にとって、一番印象深いのは、作家、城山三郎さんの死去である。心からのご冥福を祈りたい。

このエントリーのタイトル『日米は互いに何を学ぶべきか』は、日本・東アジア研究で極めて著名なエズラ・F・ヴォーゲル氏(参照)と城山三郎氏との対談集のタイトルである。

■本書は、1986年、講談社より出版されたものであり、日本がまさに、経済超大国としての、自信と奢りに溢れた時代でもあった。この「ジャパン・アズ・ナンバーワン」というフレーズも、この著書を記した、エズラ・F・ヴォーゲル氏の著作のタイトルである。

日米関係は、総じて「ロン・ヤス」時代と敬称されるほどに、極めて良好であった。しかし、経済面においては、多額の対日貿易赤字を抱え込むアメリカとの間で、激しい貿易摩擦が起こっていた。

この時代の日本の経済、企業モデルは、多くの先進国からも模倣されるほど、学術的にも、ケースデータとして使用できるほどの影響力を持っていた。

アメリカにおいては、レーガノミックスと呼ばれる政策が採られていた。

本書は、そんな経済関係の話を中心に社会や、文化的な側面について、意見交換がなされている。

全ては、紹介できないので、最後の城山三郎氏のあとがき部分だけ、紹介する。

この連続対談もナンバーワンであることの確認のためでなく、互いに何を学び、注意し合うべきか というところに、眼目があった。本書でアメリカ経済の問題点と指摘されたいくつものものが、いまや、日本の問題点になりつつある。もともと日本経済とアメリカ経済とでは、同質同根のところがあり、感染しやすいところもあった。このために、アメリカ側に品質管理の改善など、日本経済から学ぶ動きが出てきた反面、日本には、アメリカ経済の病弊が広がっている。本書に見るように、エリートが「目先の商売」に目を奪われて、長期より短期の利益を追うことがまかり通るようになった。企業内での一体感や、忠誠心も依然ほどではなくなったきたし、地味なエンジニア志望者も減ってきている。アメリカのマイナス面がいまや、わが身の問題である。

■管理人、経済のことは、詳しくわからないが、確かに、現在の日本の経済は、かつてのアメリカ、現在のアメリカ的要素を多分に取り入れているだろう。それが良いことか、悪いことか、時代の流れかは、専門家に任せたいが、少なくとも、年功序列・終身雇用制度には、変化が見られる。(といってもこの制度を保てたたのは、大企業のみだと思うが)

今の、20代、30代が、(企業)仕事に求めるものは、アメリカの心理学者、マズローの心理的欲求の5分類からみるに、自分が必要とされているかといった、自尊の欲求と、自己の目的を達成できるかという自己実現の欲求が、ほとんどだそうだ。

■最後に今のアメリカから何を学べるかということで、ここで少し、「スマート・パワー」というパワー概念を紹介したい。恐らく日本以上に、アメリカ自身が学習中だが。

今、アメリカは、ご存知の通り、ユニラテラルに遂行した、イラク戦争後、占領統治で大変、困難している。それに伴い、世界各地からの反米感情も多い。又、テロとの戦争での有効性も示さなければいけない。ハード・パワーへの傾斜が摩擦・軋轢を起こせば、ソフト・パワーへと傾斜するのが、ひとつのパワー変動のパターンであるが、このイラク戦争とその後を見ればわかる通り、軍事力で、破壊は、できても、コントロールまでは、うまくできないということである。また、ハード・パワーに傾斜しすぎることが、ソフト・パワーまで減じる可能性が高い。(ここでいうハードとソフトは、ジョセフ・ナイ教授の概念である。詳しくは、著作を読んでもらいたいが、簡単な図式にすれば、支配力ー強制ー誘導ー課題設定ー魅力ー吸引力となる)

「スマート・パワー」は、このハードとソフトを統合したパワー形態になる。これが具体的にどのような概念、実質的な形を指すのかは、まだわからない。CSISで、アーミテージ氏やジョセフ・ナイ教授などが、コミッションを立ち上げたところである。(CSIS

アメリカの影響力を保ち、尚且つ、リスクとコストの少ないパワーの行使になるだろうが、また、詳しい情報が入り次第、報告する。

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