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2007年1月11日 (木)

フォード元大統領追悼

2006年、12月26日、アメリカ合衆国38代大統領、ジェラルド・R・フォード元大統領が亡くなられた。

ワシントンでフォード元大統領の国葬、内外の要人参列

(朝日新聞 2007年1月3日)

昨年12月26日に93歳で死去したジェラルド・フォード元米大統領(共和党)の国葬が2日午前(日本時間3日未明)、ワシントン大聖堂で営まれた。ブッシュ大統領のほか、クリントン、ブッシュ、カーター元大統領ら内外の要人が参列。日本からは、政府特使として町村信孝前外相が出席した。フォード氏は74年にウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領(当時)の後継となり、ホワイトハウスへの信頼回復に努めた。同年、現職の米大統領として初めて日本を公式訪問した。

 ワシントン大聖堂では04年にもレーガン元大統領の国葬があった。フォード氏のひつぎは国葬後、地元ミシガン州のジェラルド・フォード博物館に埋葬される。

Newsweek紙にのせた、ヘンリー・A・キッシンジャー元国務長官の寄稿文を少し紹介しておく。

■ニクソン元大統領がウォーターゲート事件の責任をとる形で、退任後、大統領に就任した、ジェラルド・フォード元大統領は、派手さこそないが、実直な政治家であった。

アメリカでも、日本でも、人気が高いわけではない。しかし、アメリカ国内の政治不信を回復し、現職アメリカ大統領では、始めて日本を公式訪問した政治家である。

大統領としての就任期間は、2年5ヶ月と短く、評価が難しいが、ニクソン元大統領に恩赦を与えた件では、当時は、批判にさらされたが、現在は、評価する動きが強い。

ジェラルド・フォード元大統領の評価には、まだ時間がかかる。後世の歴史家に任せたい。(個人的には、エネルギー危機やインフレ、南ベトナム崩壊と無能な指導者だと言われたこともあるが、現在、充分に評価できると考えているが)

■では、ヘンリー・A・キッシンジャー元国務長官の寄稿文を抜粋、紹介しておく。

フォード大統領が就任した74年は、ギリシアとトルコによるキプロス危機の真中であった。又、アラブ諸国の外相が以前から予定されたいた会議のために、ワシントンに集結してした。さらに、アメリカは、旧ソ連と核軍縮交渉に臨んでいた。

そんな状況でも、彼は決してストレスを表に出さず、自制心を失ったり、不安な表情を浮かべることはなかった。まれにみる良識の人だった。

アメリカ政治に希望と礼節をある程度、回復したのがフォード政権であった。

ヘルシンキで開催された欧州安全保障協力会議では、東欧の旧ソ連衛生国の政権崩壊を招く下地を作った。

また、フォード自ら積極的なコミットのおかげで、イスラエルとエジプトの間にはじめて政治協定が結ばれた。

フォード大統領の最大の貢献は、アメリカの完璧主義と絶対性に傾こうとする衝動と、絶対や完璧なものはないとして、問題を放置する衝動との間のバランスを取ってみせたことだ。

実現可能な範囲で、最大限を目指しつつ、アメリカ国民にとって、持続不可能であったり、国際社会の理解できない一線を超えない、外交政策には不可欠な要素を吹き込んだ。

国際秩序を保つにあたって、アメリカの信頼性は、重要な要素である。フォードは、それを見事に高めた大統領であった。

■下線は、管理人が意図的にしたものであるが、このことは、現在のアメリカの外交政策を考える上で、重要である。ウィルソン的な理想主義とモンロー的な孤立主義を政治的伝統としてもつ国家にとって、そのバランスをとることは、大変、難しい。

ジョージ・W・ブッシュ大統領が新しいイラク政策を公表するが(こちらもエントリの予定です)、どれだけの軌道修正がなされるのだろうか。

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コメント

 ジェラルド・フォードは、政治家としては「よい人物」だったと思います。ただし。国民の「ワシントン不信」が頂点になったときに大統領になった故に、「非ワシントン人」であったジミー・カーターには勝てなかった。上下両院議員経験者がが大統領になるのではなく、州知事出身者が大統領になる流れの「潮目」にいた人物だと思います。

投稿: 雪斎 | 2007年1月12日 (金) 11時38分

>雪斎さん

コメントありがとうございます。

そうですね、ベトナム戦争の傷、ウォーターゲート事件、ニクソンに対する恩赦など、国民のワシントン不信が頂点にあった時の大統領ですね。

また、社会的にも、価値相対主義的な時代でした。

このようなワシントン不信や、社会の価値相対化、これをうまく利用できたのが、ジミー・カーターだと思っています。

投稿: forrestal | 2007年1月13日 (土) 09時35分

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