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2007年1月 8日 (月)

安全保障というターム

おかげ様で、風邪は、ほぼ治りました。又、明日からリハビリですw

明日、2007年1月9日をもって、防衛庁は、防衛省に昇格する。

管理人にとっては、やっとかという気持ちである。

こちらが、新しいHPである。防衛省HP

防衛省に関しては、又、エントリするとして、今回は、昨今、我々一般人まで、よく使うようになった安全保障(security)というターム(概念)を少し考えてみたい。

■安全保障というタームを定義するのは、非常に難しい。かつて、テリー・イーグルトンがイデオロギーというタームには、100以上の定義が存在すると述べたが、この安全保障も、定義が曖昧かつ多様である。

コア・エッセンスだけを暫時的に定義すれば、「人々の生命・財産を脅威から守る」となるだろうか。

又、かつては、国防(国家の軍事的防衛)と呼ばれ、その意味で使われることが多い。では、国防はいつごろから、何故、安全保障という言葉にとって変わられたのだろう。(もちろん今でも国防も用いるが)

■少し歴史的にみてみる。(歴史的考察)

安全保障が国防に変わってよく使われるようになったのは、第1次世界大戦後のヨーロッパである。ヴェルサイユ条約以後、フランス(フランスは、戦勝国になったが、厳しい対ドイツ講和条約の報復を恐れ、抑止したかった)をはじめ、対ドイツ包囲網を形成した諸国家が、結んだロカルノ条約は、その典型である。この多国間の同盟(集団自衛体制)を安全保障(政策)と呼んだ。何故なら、共通の脅威に対する多国間の同盟である以上、一国の防衛を意味する国防はふさわしくなかったのだろう。

欧米でも、20世紀に入ってから頻繁に使われるようになったタームである。(もちろん、それ以前から存在していたが)

■次に概念を語源的にみてみる(概念的考察)

英語の’security’の訳語が安全保障にあたるわけだが、その語源は、ラテン語までさかのぼる。ラテン語の’securitas’がその語源である。そして、この’Se’は、「~から自由である」「・・・から離れている」という意味であり、この接頭語が、「心配」「不安」を意味する’cura’についてできたものである。そして、「心配のない状態」や「心配のない状態を保障する手段」を意味する。

英語では、どうだろうか。Oxford英英辞典では、日本語の定義より緩やかで、「危険にさらされていない、あるいは危険から守られている状態」が、一般的な意味であげられ、又、別の意味では、「担保」や「有価証券」という意味もある。それゆえ、国家だけに限らず、個人にもあてはまり、主に経済活動で、使われるタームであったとも言える。(軍事的側面だけとは限らない)

■では、定義の明確化は、不可能なのだろうか。

安全保障という言葉だけでは、先にも書いた定義が、精一杯である。つまり、付加情報が必要となる。

簡単に言えば、主体・客体・手段である。別の言い方をすれば、

①何を守るかー安全保障の対象

②何から守るかー安全保障への脅威

③何で守るかー安全保障の手段

かなり、包括的に単純化したが、以上が明確になれば、安全保障の定義も明確化できる。

■セキュリティの拡散

現代においては、セキュリティ概念も多様に用いられ、国際関係論のみならず、様々な分野で使われている。

ナショナル・セキュリティ(国家安全保障)や、ヨーロッパのコーポレィティブ・セキュリティ(協調的安全保障)、コレクティブ・セキュリティ(集団安全保障)、冷戦期のコモン・セキュリティ(共通の安全保障)などや、最近では、ソーシャル・セキュリティ(社会安全保障)やヒューマン・セキュリティ(人間の安全保障)などである。又、日本のコンプリヘンシブ・セキュリティ(包括的安全保障)もある。環境、情報、エネルギーなども、最新のものである。

ひとつひとつは、追々、ブログにエントリしようと思うが、今回は、ナショナル・セキュリティをめぐる、各理論のスタンスだけ確認しておく。

・リアリストは、「外敵の軍事的侵攻・侵略から、自国の領土・国民の生命、財産を軍事力によって守る」と定義する。

・リベラリストは、この定義に関して、まず、軍事的側面に限定しすぎであることや、政治・経済的な相互依存や協調が安全保障関係を構築すると批判する。

・コンストラクティヴィストは、まず、アクターが国家中心的であること、マテリアリスティック(物質主義的)であることや、脅威の構成や認識などを中心に批判する。

本年は、安全保障関係もエントリしていこうと考えているので、まず、第1弾として、安全保障というタームの定義に触れておいた。今回は、少し、読みづらい気がするが、タームの定義を明確化することは、言論の最低条件である。

■ところで、話は変わるが、今日は、成人式であった。管理人は、大の式嫌いなので、出席しなかったが、友人と下宿でマージャンをしていた記憶はあるw

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コメント

貴兄の安全保障シリーズ、楽しみにしていますよ。
私には分かりやすかったです。

投稿: talleyrand | 2007年1月 9日 (火) 19時45分

talleyrand さま

コメントありがとうございます。

ミリオタでないので、軍事の細かいところは

わかりませんが、一応、専門的に安全保障政策をかじった

ので、今後もわかりやすく、エントリしていきますね。

投稿: forrestal | 2007年1月 9日 (火) 23時45分

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