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2007年1月29日 (月)

最近の安倍内閣雑感

■安倍内閣が発足して、数ヶ月が経つ。またもかという・・・失言である。

柳沢発言:柳沢厚労相 謝罪したが辞任を否定 代表質問で

 衆院は29日の本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党の代表質問が始まり、柳沢伯夫厚生労働相は自らが「女性は産む機械」などと発言した問題で「女性の方々を傷つける不適切な表現を用いた。国民、特に女性に申し訳ないと存じ、改めて深くおわび申し上げる」と謝罪した。さらに「「安倍内閣の下で少子化対策のために全力を挙げて取り組んでいく」と述べ、辞任する考えのないことを明らかにした。民主党の松本剛明政調会長の質問に答えた。

 柳沢氏は本会議前、安倍首相や塩崎恭久官房長官に電話で釈明。首相は「このような不適切な発言がないように」と厳重注意したという。

 塩崎官房長官は記者会見で「不適切だったと私も思うが、(発言後)直ちに訂正している。結果を政策で出していくことが大事だ」と辞任の必要はないとの認識を示し、首相も同日夜、記者団に同様の考えを語った。

 これに対し、民主党の小沢一郎代表は本会議後の記者会見で「どのように釈明しても、それで済む話ではない。自ら判断すべきだ」と述べ、自発的な辞任を促した。

 また、代表質問で松本氏は、久間章生防衛相が米国のイラク開戦を「判断が間違っていた」と批判したことについて「良心に基づく率直な感想だ。そこまで言うのであれば、誤りを認めて政策を改めるべきだ」と指摘。久間氏は「当時、閣外にあって感想として述べたもの。防衛相として政府の立場を支持、踏襲している」と弁明した。以下略・・・

 毎日新聞 2007年1月29日 20時43分 (最終更新時間 1月29日 21時51分)

■本日付けの毎日新聞では、安倍内閣の支持率は、40%、不支持率は、36%である。

もちろん、支持率に一喜一憂する必要はないが、ひとつの目安としては捉えることはできるだろう。

今回の柳沢発言から、少子化問題について少し、更に度重なる、久間防衛大臣の発言について、雑感を述べたあと、安倍総理について少しエントリしたい。

■まず、今回の柳沢厚生労働大臣の発言についてだが、恐らく、本人は、身内ばかりの集まる講演会で、さほど気にせず、つまり、これほど、問題化されるとは、予想せずに、発言したのだろう。

政治哲学者、ハンナ・アレントの言葉を借りれば、「本音というものは、すでに表れている」

つまり、本音というのは、日本的に言えば、建前が表向き、本音は、内向き(心の中)という一般認識であろうが、程度の差こそあれ、本音は、すでに、言動に表れているということになる。

管理人は、柳沢大臣の言葉の揚げ足をとって、どうこういうつもりはないが、国民に与える影響力を考えれば、いうまでもなくマイナスである。

管理人には、少子化問題は、専門外であり、具体的な解決策があるわけではないが、しかし、少子化問題を語る文脈からすれば、柳沢大臣の発言は、的外れとかしいいようがない。

女性が男性が、子供を持ちたい、安心して育てられる、そのような環境作りへのビジョンとアイディアを示すのが大臣の務めではないだろうか。

管理人自身も考えていることだが、みなさんにも少し考えてもらえたら幸いである。

かつて、平塚らいてうは、「子供は、社会全体の宝である。それゆえ、社会全体が子育て等に取りくまなければいけない」と述べている。(社会を国家と置き換えていいだろう)

これに対して、与謝野晶子は、「女性は、社会的自立をし、その上で、社会にあまり頼らず、子育てすべきである」述べている。

この二人の論争は、決着をみなかったが、現在、この二人の考えから、得るべきものは多いのではないだろうか。

■次に久間防衛大臣について、以前から、その発言を巡って、自粛を求められていたが、在日米軍再編問題において、「アメリカは偉そうなことをいうな・・・」発言は、すでに、ワシントンの反感を買っている。

国内合意へ向けての諸事情があるならば、ワシントンに行って、説明、理解を求めてこないといけない。

在日米軍再編問題は、沖縄、日本、ワシントンがプレイヤーである。そして、日米両国民の大きな課題でもある。

小泉政権時は、日米関係において、国際安全保障環境上、又、アメリカの国内事情(9.11テロとその後)、日本重視のジョージ・W・ブッシュ政権の政策など、さしたる、外交ビジョンがなくても、これらの環境的要因によって、マクロ・マネージメントさえ間違えなければ、日米関係は、強化される構造になっていた。

しかしながら、安倍内閣の発足後は、アメリカの国際事情、国内事情から、その環境構造は、もはや、存在しない。それゆえ、アメリカに関しては、より慎重に、アプローチし、マイクロ・マネージメントまで、気を配らなければ、日米の強固な関係は保持できなし、日本は、最低限、日本の安全保障を担保させなければいけない。

それが今、内閣総理大臣の下、国防に関して首相に準じる最高クラスの権限を持つ久間大臣の務めである。

■最後に安倍総理に関して、もう3ヶ月以上も前になるが以前 安倍総理の曖昧性ということで、記事をエントリした。安倍総理の曖昧性の戦略

少しこうも政権内部から、もっと言えば自民党内部から、足を引っ張られるとかわいそうな気もするが、小泉政権時のような’抵抗勢力’との2項対立図式もとることが出来ず、政局運営は、困難であろうが、政党間の政治力学上、野党(民主党)に流れる層も少なく、助けられている部分もある。(その分、無党派層が増えているのだろうが)

しかしながら、官邸機能の強化を目指すのならば、強いリーダーシップが今こそ求められている。自ら、実質的にリーダーシップを取らなければ、官邸機能強化など、形式的なもので終わってしまう。

安倍総理には、早急かつ的確な判断と丁寧な国内(外)へのアカウタビリティが求められている。世耕補佐官の提案申し入れ(総理のインタビゥー再開)もそれを汲んでのことだろう。もちろん、参議院選挙が視野にあることは、言うまでもない。

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コメント

 これは拙すぎる。
 総理が柳沢大臣を庇いきれなくなって「柳沢辞任」ということになったら、最悪のパターンだと思います。

投稿: 雪斎 | 2007年1月31日 (水) 07時48分

 「これは拙すぎる」の「これ」は、「柳沢発言」のことです。
 念のため。

投稿: 雪斎 | 2007年1月31日 (水) 07時51分

愛知知事選で与党推薦の現職が負けるようなことになれば、柳沢辞任も現実味が出てくるんでしょうね。
金融相時代は評価が高かったのに、何故こうなってしまったのやら。

投稿: Baatarism | 2007年1月31日 (水) 12時29分

>雪斎さん

コメントありがとうございます。
私の記事が下手すぎるのかと思いました(笑)

そうですね。「機械」「装置」ではなく、まだ、「機能」「能力」とでも
言っておけばよかったと思うのですが。

チーム安倍、論功行賞内閣だと言われていますが、だからこそ、政権発足、100日足らずで、このような形で辞任になることは、総理自身の人選の不味さを認めてしまいますね。

このような些細(といっては、ダメなのかもしれませんが)な問題にこそ、総理自身の力量が試されますね。

>Baatarismさん

コメントありがとうございます。
選挙後辞任は、もっと後味が悪いですね。それなら、選挙前に冷断して、バッサリした方がよいかもしれません。が、辞任させたは、選挙に負けたはでは、もう、安倍政権、内部崩壊です。

記事にも書いたのですが、まあ、柳沢大臣自身は、リラックスした場所で、これほど、大事になるとは思わず、発言したのでしょう。
Baatarismさんに是非、お聞きしたいのは、少子化対策を経済学的に、そのインセンティブをあげていくとうことですが、扱うとしたら、どのようなアプローチになるのでしょうか。
やはり、厚生経済学や、行動科学的なものになるのでしょうか。
又、アイディアをお借りできれば幸いです。

投稿: forrestal | 2007年1月31日 (水) 15時01分

厚生経済学はあまりよく知らないのですが(汗)、経済学的に考えれば、子供を持つ効用と、それに要する費用を他の用途に使用する効用の選択と言うことになりますから、やはり厚生経済学的なアプローチになるんでしょうね。
それにしてもこの程度の失言で辞めさせられてしまうのもなあという気はしますね。小泉さんなら絶対にかばい続けただろうけど。

投稿: Baatarism | 2007年1月31日 (水) 23時05分

Baatarismさん

コメントありがとうございます。
ラショナル・チョイス理論ですか。

柳沢大臣が現在の国民感覚を読めなかったのでしょうか。
まあ、マスコミ等も騒ぎすぎですが。

デカルトの思想にも、ラ・メトリも、人間機械説を説いていますし、
異なるアプローチとしては、分子生物学(遺伝子研究)で著名なR.ドーキンスなんかも、人間の諸器官は、遺伝子の命令によって動く機械であると言っています。

まあ、だからと言って、柳沢大臣の発言を肯定、容認するわけでもないですが。

このあたりのかわしかたこそ、安倍総理の力量なんですがね。

投稿: forrestal | 2007年2月 1日 (木) 12時06分

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