« テーマ・ソング♪ | トップページ | 東アジアサミットと日中韓 »

2007年1月14日 (日)

イラク新戦略

■イラク研究グループ(ISG)の提言を受け、ジョージ・W・ブッシュ大統領が、イラク新戦略をテレビ演説で、公表した。

米軍2万人増派 米大統領、イラク新戦略をテレビ演説

ブッシュ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、全米向けにテレビ演説し、宗派間抗争が内戦状態にまで悪化したイラクの現状は「許容できない」との認識を示した上で、「過ちがあった点については、私に責任がある。戦略を変えなければならないのは明らかだ」と述べ、新戦略を発表した。治安回復にあたるイラク軍・警察を支援する目的で、イラク駐留米軍(現兵力約13万人余り)について、首都バグダッドに1月から段階的に投入される米陸軍5個旅団をはじめ、計約2万1000人増派する。ベトナム戦争の再来との懸念も強まっているイラクで、最後の機会にかける形だ

大統領は、これまでバグダッドを安定させようとした努力が失敗したのは「米兵、イラク治安部隊ともテロ集団や反米勢力を掃討した後、その地域を維持できるだけの数がなかった。さらに、(イラクの国内政治的な理由からの)制約が多すぎた」ためだと分析し、こうした過ちを正し、効果のある新戦略を立てたと主張した。

ブッシュ政権高官によると、増派の具体的な内容としては、宗派間抗争が吹き荒れる首都バグダッドに米陸軍5個旅団約1万7000人を入れ、呼応する形でイラク側も陸軍3個旅団を増強する。市内9地区でイラク側が治安権限を持つが、支援のために各地区に米陸軍1個大隊が配属される。スンニ派の反米攻撃が続く西部アンバル州には、海兵隊2個大隊約4000人が増派され、国際テロ組織アルカイダとスンニ派住民の分断をはかる。

 一方、軍事面にとどまらない、政治的解決に向けた状況づくりのため、米軍と文民が一体となった形で治安維持と復興援助を同時並行的に進める紛争処理の手法である地域復興チーム(PRT)を7カ所から倍増、要員も増やす。約12億ドルの雇用増大計画など経済的な支援も約束。ライス国務長官が近くバグダッドの復興調整官を任命する。

以下、略・・・ (朝日新聞) 2007年1月11日 

■正直、専門家、マスコミ、ブログなどでも、充分、分析されているので、管理人の出る幕は、ほとんどない。

ただ、所感という形で、思うことを綴っておく。

管理人は以前のエントリから、アメリカ、国連、国際社会がそれぞれの役割に応じて、活動しなければ、イラクの現状は、混迷から脱しないと主張してきた。

現在、バグダッドを中心とした、宗派間の争いに様相は、変貌している。

果たして、アメリカは、2万の増兵で、鎮静化できるのだろうか。

そもそも、ISGレポートも国内消費用である。(あまり効果はなかったが。。。)

民主国家である以上は、国内世論を無視することはできない。

また、大統領をはじめ、ライス国務長官などが、議会で、民主党をはじめ、共和党議員からも、この新戦略の反対を受けている。

これは、いうまでもなく、国内世論(反対が6割)を反映した、次の選挙向けである。

選挙となれば、議員は、みな必死である。日本だけではない。

ジョージ・W・ブッシュ大統領も、権限を11月に移譲し、一時的な鎮静化が果たせたら、

恐らく、撤退するだろう。名誉ある撤退として。

管理人は、アメリカ国民ではないが、増兵もいたしかたないと考えている。

パウエル・ドクトリンに考えが近かった。

つまり、増兵をするなら、中途半端なことはしてはいけない。更なる混迷と死傷者が増えるだけである。

宗派間の対話を国連が主軸になって行えるほど、圧倒的に鎮静化しなければいけない。

でなければ、2万、また2万とずるずると成果なく、増兵だけが増える。

もちろん、議会と世論とのバランスがある以上、簡単なことではないが。

又、経済的支援、インフラ整備などは、NGOsを活用しながら、国際社会の協力を仰ぐべきである。

サドル師などは、アメリカが注目するから、返って、その名をあげ、求心力をもった人物である。

今回の新戦略も批判的、悲観的な論調が目立つが、アメリカは、超大国である。しかしながら、一国でできることと、出来ないことがある。

何度も繰り返しで、申し訳ないが、国連、同盟諸国、国際社会を上手く使わないと、戦略をいくら変えても同じであろう。

ユニラテラリズムは、リスクもコストも大きい。充分に学習したはずである。

どれほどの軍事的圧倒を保っていたとしても、軍事力の使用は、その規模、時期、タイミングが整わなければ、泥沼化を招く(もちろん、事態を早期に収拾させることもできるが)

アメリカは、名を捨ててでも、実をとるべきである。

それが、後世、(アメリカの)歴史において、名も実もとることになるかもしれない。

外交政策にしても、占領統治にしても、信頼性は、重要である。

|

« テーマ・ソング♪ | トップページ | 東アジアサミットと日中韓 »

「国際情勢」カテゴリの記事

コメント

ありえないとは、思いますが、どうもイランに刃を向けているような気がしてなりません。 そうでないことを祈ります。

投稿: とおりすがりのもの | 2007年1月18日 (木) 00時34分

>とおりすがりのもの様

コメントありがとうございます。

現状、ワシントンは、中東に関しては、イラクで精一杯です。

中間選挙の敗北を受けて、ディバイディッド・ガバメント(分割政府)になってますから、まあ、大統領自身、なんとかしたいけど、
なんともできないという状況です。厳しく言えば、半ばレームダック(任期を消化するだけ)にあります。

ただ、中東の民主化などいうフレーズは、少し大風呂敷ですが、
イランの核開発は、容認しないでしょう。
これに関しては、フランス・ドイツを中心とする欧州に任せる形ですね。
また、国連も使うでしょう。現にイランに関しては、安保理決議がでています。

当面、アメリカ単独の武力行使というのは、可能性は少ないでしょうね。

ただ、国際社会や、近隣、中東諸国に働きかけて、イランの孤立化をさせるかもしれませんが、これも、得策ではないでしょう。

中東湾岸の軍事プレゼンスを高めて、牽制はするでしょうが、先にも書いた通り、ヨーロッパ諸国、国連に任せるという形になるでしょうね。ただし、イラクに入ってくるイラン(イラク・シーア派を支援する)勢力は、排除するでしょうね。

投稿: forrestal | 2007年1月18日 (木) 12時04分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/179808/4928271

この記事へのトラックバック一覧です: イラク新戦略:

» ブッシュ大統領のイラク政策に反対!! [とんとんの社長業奮戦記]
ブッシュ米大統領は10日、新イラク政策を発表し、アメリカ軍約2万1500人をイラクに増派する方針などを打ち出しました。 さらに、ブッシュ大統領は、米国民に向けたテレビ演説で「もっと早く増派を決断すべきだった」... [続きを読む]

受信: 2007年1月15日 (月) 00時25分

« テーマ・ソング♪ | トップページ | 東アジアサミットと日中韓 »