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2006年12月18日 (月)

2006 6カ国協議の再開

2006年も終わりに近づき、今年、始めての6カ国協議が開かれる。

6カ国といいながらも、アメリカ、中国、北朝鮮の3カ国の図式になりつつあるが。。。

とにかく、北朝鮮が、核保有国として臨む6カ国協議である。

6カ国協議実質開幕・・・昨年11月以来、1年1ヶ月ぶり

【北京=尾山宏、末続哲也】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議は、17日午後7時(日本時間同8時)から、北京の釣魚台国賓館で議長国・中国の武大偉外務次官主催による夕食会を開き、事実上スタートした。18日には、午前9時半から国賓館で首席代表会合、同10時50分から開会式が行われ、正式に開幕。同11時からの全体会合では各国首席代表が基調演説を行う。

 協議開催は2005年11月以来、約1年1か月ぶり。今年10月の北朝鮮による核実験実施という新たな事態を受け、日米など各国は北朝鮮に、05年9月の共同声明に基づき核放棄実現に向けた措置を取るよう要求している。(読売新聞) 以下略・・・

■当然のことながら、今回の6カ国協議は、北朝鮮の核放棄が、最優先事項である。

これと並行して、米朝の2国間協議も行われる予定である。主にアメリカの金融制裁(マカオの資金締結)についてである。

北朝鮮の核実験・保有が、アメリカの譲歩を引きずり出した点までは、北朝鮮の超瀬戸際外交の成功と言わざるえない。そして、北朝鮮の描く外交目標は、制裁解除→体制維持→体制保障の確約と段階的なものになるだろう。そしてその手段として、核兵器をちらつかせ、6か国協議に応じる・応じないを繰り返すだろう。

北朝鮮の瀬戸際外交とは、小さなことを、大きくみせる外交である。つまり、同じカーブを曲がるにしても、大回りしたようにみせると、それだけ、大きなカーブを曲がったように見えるのである。この政治的・心理的効果に騙されてはいけない。

追い込まれているのは、アメリカでも、中国でもなければ、日本でもない。北朝鮮なのである。もう切れるカードは、マイナスカードしかない。つまりこれ以上は、北朝鮮の自滅に繋がるカードしかない。簡単に言えば、国益レベルが違うのである。北朝鮮にとっては、国家の生存に関する国益なのである。このような関係諸国の国益レベルの差異も認識しておかなければいけない。さも、北朝鮮が外交上、優位に立っているように見えるのは錯覚である。

ただし、現状、北朝鮮の想定内で、ほぼ予定通り、外交は進んでいるだろう。

■ここで、少しCFR(アメリカ外交評議会)の分析を確認しておく。

6カ国協議進展へのかすかな希望(リンク切れに注意してください)

how the United States and China negotiate with each other will prove to be the most important aspect of the talks. China pressed North Korea to rejoin Six-Party Talks in late October. But China is likely to be satisfied with North Korea merely resuming a diplomatic process and is not expected to push for immediate results

(アメリカと中国が互いにいかに交渉するかが、重要な事態についての内容を明白にする。中国は10月に北朝鮮に6カ国協議に、戻るよう圧力をかけてきた。しかし、中国は北朝鮮に対する6カ国協議再開の外交プロセスに満足しそうで、早急な結果を求めることは期待できない)

*つまり、ワシントンの見解は、対北朝鮮政策にとって、中国との交渉やディール(取引き)は、重要であるが、中国が根本的な問題(核放棄など)を、早急かつ真剣に取り組むとは考えていないと分析している。

又、6カ国協議をEU諸国参加まで、拡大させる論文も紹介されている。

*つまり、中国のみに頼るのではなく、EUなど国際社会の協力を経て、北朝鮮を孤立化させる方法も効果があることを示唆している。裏を返せば、中国頼みでは、大きな進展がないという分析である。

In terms of U.S.-North Korea policy, experts argue over the effectiveness of Clinton-era engagement strategies versus the high pressure approach of the Bush administration.

(アメリカ自身の対北朝鮮政策に関して言えば、専門家は、クリントン期の積極的関与戦略 VS ジョージ・W・ブッシュ政権の強硬的な圧力アプローチという図式を超える、より効果的な政策が議論されている。)

*ここでは、ワシントン自身の政策が問題化され、クリントン期の対話重視(94年ー米朝枠組み合意)でも、ジョージ・W・ブッシュ政権の対話拒否(強硬路線)でもないより効果的な戦略・アプローチの形成に入っていることが推測できる。

つまり現状、ワシントンも明確な戦略、アプローチ、政策が形成、決定されているわけではない。ただ、クリントン政策も、ジョージ・W・ブッシュ政策も効果的でなかったという見解である。

・()は、管理人の稚拙な意訳です。

■管理人の見解としては、ワシントンは、強硬路線を保ちながら、対話にも応じていくという姿勢で、効果的な戦略・政策が形成、決定するまで、時間かせぎをするだろう。

ワシントンが金融制裁解除に応じることは、考えずらいし、北朝鮮も核を放棄しないであろう。なんらかのディールで、一応の妥協的合意はあるかもしれないが、しばらくは、外交上の駆け引きが続くだろう。

■尚、一つの外交政策だからといって、外交目標がひとつとは限らない。核、ミサイル、拉致問題がパッケージとして、解決すれば、好ましいことだが、プライオリティは、核、(BC級)ミサイル、拉致問題である。冷たいと思われる方も多いと思うが、現状、これが、日本の国益に沿った、外交上のプライオリティである。といっても、日本単独で、効果的にできることは、殆どないが・・・。

*追記:予想通り、北朝鮮は、全ての外交目標を提示してきた。ここから、段階的に、妥協していけば、より大きなカーブを曲がったのようにみえる、(瀬戸際)外交手法である。

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