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2006年11月12日 (日)

2006年 アメリカ中間選挙の分析と今後の動向

もうすでに、多くのメディアや学者、評論家が扱っているので、うんざりだと思われる方は多いと思うが、管理人の自己満足も含めて、少し総括しておきたい。

選挙自体の結果は、驚くに値しないが、共和党の敗因として、スキャンダルや金権腐敗で、イメージを下げた上に、最大の争点である、イラク政策において、アンチ・ブッシュ、アンチ・イラク政策が、顕著にあらわれた結果であろう。

アメリカにとって、イラク政策は、『国内問題』である。諸外国や日本からみれば、対外政策(外交問題)に思えるが、アメリカの政治学者、R.パットナムの対外政策ー対内政策リンケージモデルを応用すれば、イラク政策は、アメリカにおいて、対外政策であり、対内政策でもある。(外交ー内政が結びつくのである)

選挙期間、アメリカで語られた文脈をみると、

イラク政策賛成派ーテロと関連づけ、本土防衛には、必要・有効である。

イラク政策反対派ー多くの米兵死傷者や、多額の予算(コストパフォーマンスの悪さ)

となる。以上のように、米兵死傷者、予算(財政)、アメリカの理念は、アメリカの『国内問題』である。

ジョージ・W・ブッシュ政権は、このリスクとコストのヘッジ・マネージメントに失敗したということだろう。9.11テロ以降、脅威と恐怖を駆り立てて、求心力を保ってきたが、それを満足させるだけの安心・安全を提供できなかったということである。

今回の選挙は、ジョージ・W・ブッシュ政権の自滅である。

この選挙結果を受けて、ジョージ・W・ブッシュ大統領の対応は、早い。

まず、イラク政策の失政を認め、選挙後すぐに、今後、妥協しながら政権運営を行わなければいけない分割政府(divided government)になったので、女性初の下院議長になる、ナンシー・ペロシ議員に電話で挨拶をしている。その後、ラムズフェルド国防長官を事実上、更迭し、イラク・コミッション(イラク検討会議)のメンバーでもあり、民主党にも、顔の利くゲーツ氏を後任に据えた。早速、イラク政策の見直しに、入ったようである。

また、6カ国協議の前に北朝鮮との2国間協議も行う予定である。

非常に柔軟な外交姿勢への傾斜である。

一方、民主党は、政策などで、勝ち取ったというより、上記に書いた通り、ブッシュ政権の自滅で、議席を伸ばしたので、民主党もまとまった、イラク政策があるわけでもない。それゆえ、簡単な図式にすれば、共和党(保守)ー中間ー民主党(リベラル)とすれば、おそよ、大きく振れた振り子が、中間に戻ったのであろう。この選挙結果で、大きくリベラルに傾斜すると考えるのは、早計であろう。

実際、CFRのメンバー、J.リンドセイや、ブルッキングス研究員、M.オハンロンも述べているように、イラク政策における現実的なオプションは、そう多くない。

これまでのような強硬な外交スタンスは、考えづらく、逆に、『ブッシュの豹変』も充分、想定しておかなけばいけない。

すでに、次の大統領選の準備は、始まっている。民主党は、今回の選挙の勢いのまま、候補者選びに入るであろうし、共和党も建て直しを図り、ポスト・ジョージ・W・ブッシュに向けて動きを加速させるだろう。

イラク政策においても、北朝鮮政策においても、管理人は、さほど、大きな展開・変更はないと考えている。特に、北朝鮮においては、半ば硬直状態(大きな進展のない)の2年間になるのではないだろうか。もちろん、アプローチにおいては、先に書いたとおり、変化はあるだろうし、『ブッシュの豹変』もあるかもしれないが、結果や効果においては、あまり、大きな前進(展開)は、期待できない。

ジョージ・W・ブッシュ大統領には、時間稼ぎ、時間潰しの2年間になるだろう。

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